冬至のころになると本栖湖の日の出はやっと富士山の北側の稜線の中腹あたりまで登ってくる。
とはいえ、日の出の景色が日一にちと変ってくるわけではない。
しかし元旦の朝はいつもとは違った。
千円札の富士山が見えるという展望台に集まった車の数も、人の数も尋常ではなかった。
大混雑の中、寒さで震えが止まらない観衆を目当てに
甘酒売りのオバチャンまで登場する。
いつもは日の出と同時に
カシャ、カシャとせわしなくカメラのシャッター音が鳴り響くのみであるが、
今朝は違う。
来るぞ来るぞ、来た来た、
キャー!、ウオー!!、
ステキィッ!!!、スッゲェー!!、
まぶしい、明るーい、暖かーい、
万歳!!、おめでとう!・・・・
と歓声があがる、拍手が起こる。
これが初日の出の威力か、
私もこの機会を逃すとやばい、あわてて
“今年一年良い写真が撮れますように!”と祈った。
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