2012年2月
冬花火の撮り方メモ
何度撮ってもうまく撮れない河口湖の冬花火“湖上の舞”
デジタルカメラは撮った直後に映った写真が確認できるため
試行錯誤しながら撮っているとやがてなんとかなってくる。
しかし、打ち上げ時間は短く20分、
よしよしと、わかってきたころにドッカ〜ンと最後の一発が上がっておしまい。
また来年いらっしゃ〜いとなる。
そして来年こそはと思いつつ後片付けしている間にもう学習内容を忘れてしまい、
次の年には、またゼロスタート。
さすがに、この繰り返しに気付き
ここに現状での学習状況をメモすることにした。
撮影日和
例えば、2012年の“湖上の舞”は1/14から2/19の間の土曜日と日曜日、
それに2/23(富士山の日)に開催された。全部で13回。
この中で、撮影に適する日は限られてくる。
明るい花火と夜の暗い富士山を同時に撮るためには、
おっ月さんが富士山を照らしてくれることが重要な要素になる。
おっ月さんといっても三日月では心もとないし、
花火が終わったころにやっと東の空に昇ってくる満月でも役にたたない。
打ち上げが夜8:00〜8:20であることを考えると
月齢にして8強から16弱くらいが撮影に適した限界であろうか。
とすると、これらの開催日の中では2/4と2/5のみがチャンス日ということになる。
(愛用させていただいている月齢カレンダーはhttp://koyomi8.com/moonage.htm)
もちろん、この日に予定通り花火が上がる(強風や大雨で中止にならない)ことが大前提になるが、
花火が上がるのと富士山が見えるのとは別物、
2月とはいえ、ここという時に富士山が雲がくれしてしまうことはよくあること。
変わり目の速い富士山独特の天気の前で晴れてくれることを神頼みしつつ
寒空の下で待つことになる。
撮影場所
人気の撮影ポイントは河口湖大橋の橋げたの直下である産屋ヶ崎近辺と
円形ホール横の川を挟んだ両サイドの湖岸。
前者は打ち上げ現場に近く、富士山を撮るというよりも花火を撮るといった構図になろうか。
Okkakefujiのお気に入りは河口湖大橋の灯りを入れて撮る後者の方。
ここは、横方向にずらっと並んで撮ることができるため場所どりにもあまり気を使う必要がない。
カメラの設定と撮り方
さて、肝心の撮り方はいまだ試行錯誤中であるが、Okkakefujiなりのキーポイントは
@
露光時間:シャッターモードをバルブに設定し、
ある花火が終わって空が暗くなった瞬間から
花火が上がり、開花、そして暗くなり、少し間をおいて次の花火が上がる瞬間まで撮り続ける。
というのがOkkakefujiのやり方。
多重露光などをすれば別であるが、この方法が暗い富士山を撮るための最長露光時間になる。
A
絞り、ISO設定:明るい花火を“良いところ”撮りしようとして開花の過程にあわせて
バルブシャッターを制御しようなんてことは考えない方がよいと思う。
まぐれでうまく撮れることはあったとしても、撮れる確率はうんと下がってしまう。
また、これをやると@による富士山の露出にも不利である。
上がった花火は最初から最後まで撮りきってしまおう。
絞り、ISOは一つの花火を最初から最後まで撮りきった時に露出が適当になるように設定すればよい。
といってもこれが一番難しい。
次々に上がる花火の輝度はさまざまであるし、
大輪が来たかと思えば次はスターマインであったりと、
相手の出方がわからないし、
仮に打ち上げのプログラムを手にしたとしても一々設定を変えるわけにもいかないであろう。
結局はこんなもんかと平均的に合いそうな値に設定するしかない。
例えば、f8、ISO400とかf5.6、ISO400程度であろうか。
B
カメラの設定をどうしようが花火と富士山の明暗の比が変わるわけではないので、
うまい設定があるわけではない、
これを補ってくれるのは、打ち上げ間隔
つまり花火が夜空に存在していない時間帯にどれだけ富士山を露出できるかにかかってくる。
露出設定のターゲットはどちらかというと花火であり、
富士山の露出はおっ月さんの明りと、この打ち上げ間隔にまかせるのがよいと思う。
色のある花火を白飛びさせてしまったり、
か細い明かりに沈ませてしまうと後でどうしようもないが、
暗い富士山はニコンならアクティブDライティング、
キヤノンならオートライティングオプティマイザーを強にしておくことと、
更に、現像時にシャドウ補正によってある程度補正ができる。
C
ピント:レンズの焦点距離は一番寄せたとしても
せいぜい60mm(35mm換算約90mm)程度であるため、
ピントはマニュアルモードで∞に合わせておけば問題ないが、
AFモードで河口湖大橋の灯りにピントを合わせそのままマニュアルモードに切り替えるのが一番簡単。
撮影中にピントリングに触ってしまうかも知れないのでたまにチェックする必要がある。
D
まとめ:以上が現状での学習状況であるが、
じっとしていてくれる富士山に対して、大きいのがあり小さいのもあり、
単発があり連続もあり、
低いのがあり高いのもあり・・でダイナミックに夜空を塗り替える花火。
慌ててカメラの設定をやり直したり、
撮り方を変えてみたりしても
それはもう消えてしまった花火に対すものであり、
次に何が来るかはわからない。
結局、始まってしまったらいちいち慌てずに
基本の設定と撮り方で淡々と効率良くできるだけたくさん撮り、
”まぐれ”でうまく撮れる可能性を増やすのが一番よいのでは。
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